「蒲生邸事件」 宮部みゆき:作 (文春文庫)

メッチャぶ厚くずっしり思い文庫です。
(東野圭吾の「白夜行」くらいかなって思って今調べてみたら、やはり「白夜行」はこの1.5倍ありました。(^^;)
予備校受験生の主人公がホテル火災に見舞われて、時間旅行者の男に助けられ昭和11年に連れて行かれる・・・っていうこの設定に最初はなかなかついていけなくて・・・
途中でお休みして「あかんべえ」を読んでしまいました。(笑)
で、「あかんべえ」がメチャメチャよかったので、やっぱり宮部みゆきにどっぷり浸かろうと思って再び昭和11年2月26日に戻っていきました。
時間旅行者なんて突拍子もない道具を使って、戦争前の人物や生活や街中を表現しようとしたのですね。それが小説家の能力ってものなんだなぁとビックリ仰天です。。。
感想をどう表現していいかわかんないので、解説を引用しますと・・・
「「蒲生邸事件」の真の主人公は青年ではなく、「歴史」である。歴史的事件の肌ざわりをたくみに示しながら、歴史とは何か、そして歴史を評価するとはどういうことかを、さりげなくこの小説は問うている。」・・・ふむふむ、そうです。
「宮部みゆきはこの「蒲生邸事件」というファンタジックな物語の中で、正当なことを正当に語っている。それは、過去を過去だという理由で差別せず、いまある歴史、いま流れて行く時間に責任をとるということである。」・・・ふむふむ、なるほど。
わたしの感想・・・この青年は最初なんだか煮え切らないウジウジしたパッとしない青年だったんですけど、蒲生邸の中で成長していったのかだんだん魅力が出てきました。
時間旅行から生還して、これまたうだつの上がらないお父さんに語ります。
「俺ね、過去を見てきたの。それで判ったんだ。過去は直したってしょうがないものだし、未来のことを考えて心配したって駄目なんだってことがね。なるようにしかならないんだから。だけど、だからこそ俺、ちゃんと生きようと思ってさ。言い訳なんかしなくていいようにさ。そのときそのとき、精一杯やろうってさ。・・・・(略)」
なんだかちょっと照れるようなセリフだけど、あの凄まじい時間旅行を体験した人だからこんなことを言っても許す。(^^)        よかった~度=♪♪♪♪♪
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by kuroda-3 | 2007-08-21 17:25 | 本の話
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